太平洋戦争中、日本政府は敗戦濃厚となっても、「国体護持」を至上命題として戦争を遂行し続けました。ミッドウェー海戦を暗号を解読されるという初歩的ミスを犯し、新たな敵艦隊は現れないとの希望的観測に溺れ、歴史的大敗北を喫しました。しかし、大本営発表は「自軍空母4隻喪失、敵軍空母1隻撃沈」を「自軍空母1隻喪失、空母1隻大破、敵軍空母2隻撃沈」と言い換え、「沈めた空母の数で日本の勝ち」と虚偽発表しました。発表担当者は戦後、「新装発表とか被害秘匿とかそんなものを飛び越えた自然の成り行きであった。理屈も何もない」と述懐しています。誰かの決定も指示もなく、あうんの呼吸で部署間のバランスに配慮した結論が出されました。
研究家によると、戦争中の大本営発表では敵空母は84隻、戦艦43隻を撃沈しています。しかし、実際は空母11隻、戦艦4隻しか沈めていませんでした。デタラメな戦果は天皇にも報告され、天皇ですら「(米空母)サラトガが沈んだのは、今度で確か4度目だったと思うが」と苦言を呈したと言われます。(読売新聞オンライン「大本営発表はなぜ『ウソの宣伝』に成り果てたのか」より)
「事実と科学」を軽視した戦争指導部。竹槍でB29を気合いで撃墜しろとか、米兵が上陸してきたら竹槍で戦えと。童謡「たきび」を、「灯火管制中に焚き火など、敵機の攻撃目標になる」とか「落ち葉も立派な軍需物資である」と発禁処分にした精神構造。
「自助と絆でコロナ収束」「五輪は人類がコロナに打ち勝った証」などとうそぶく安倍・菅政権界隈。ワクチン接種率の低さは、もはやOECD37カ国中ダントツでビリなのに。いわば、「負け組」確定なのです。これが「日本モデル」なのです。「37番政権」のワクチンに関する説明とは、「そんなに痛くありません」程度なのです。本気で、私たちが知りたいのはその程度と思われているのか、そもそも愚弄しているのか。
戦前、戦後を通じて私たちはこの「情緒と気合い」大好きな政治家の存在を許してきてしまった。私たちはすでに「事実と科学」の時代にいて、さらに次なる段階にいこうというのに。この絶望的な学習能力のない愚鈍な連中は、私たちの生活をかなり蝕んでいます。宝島社の広告は、政治の不作為により回復不能なまでに社会が破壊されかねない、のっぴきならない危機感の表れといえるでしょう。断固支持します。
先の大戦では、ソ連の参戦により「無条件降伏」を決断した日本政府ですが、もし、ソ連の参戦がなければ政府は国民にどれほどの犠牲を強いていたことでしょう(ソ連に占領されたら「天皇制廃止」と「私有財産の廃止」は免れないと、支配階級は戦慄した)。
果たして、新型コロナウイルスは、自粛のお願いで乗り切ろうとする日本政府と私たちの生活を「無条件降伏」程度で済ませてくれるのでしょうか。
胆振管内の感染者数推移と、直近7日間平均感染者数の推移をお知らせします。
コメント